第60回「知的コラボ」の会(開催報告)

 教育実践コラボレーション・センターでは、2025年3月13日(木)に、教育学部本館第1会議室において、第60回「知的コラボ」の会を開催しました。

 

 今回は、専修大学人間科学部の国里愛彦教授に「ベイズ推論モデルの基礎と計算論的精神医学での活用」というテーマでご講演いただきました。ご講演では、計算論的精神医学の生成モデルの主要なモデルのうちの1つであるベイズ推論モデル(その中でもとりわけ能動的推論モデル)を取り上げ、それがどのような背景でどのように定式化されているのかをていねいに説明いただいたのち、R(無料で利用可能な統計分析ソフト)を用いて参加者とともに簡単なモデルをhands-onで実装しました。また、能動的推論モデルを用いた臨床場面を想定したシミュレーション研究や臨床的介入の実データを用いたパラメタ推定研究もご紹介いただきました。


 フロアからは、階層性を仮定したより複雑なモデルにおけるパラメタ推定の実際などに関する質問がなされ、活発な議論がなされました。人間の心理的不調を数理モデルで理解することがそれらに対する介入・支援のためにどのように役に立つのかを参加者の皆様と考えることのできた、充実した時間となりました。

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