学校教育改善ユニット

 学校教育における問題を解決するためには、実践家と研究者との対話や共同研究、様々な分野の研究者の連携が不可欠です。本ユニットでは、連携校との共同研究、京都大学内における連携、理論と実践の往還を通じて、学校教育の現場における問題の解決、学術面での発展を目指しています。



 

学校等との連携による共同研究プロジェクト

 大学の教員と学生が連携校との継続的な共同研究に取り組むことによって、教育実践の改善を推進しています。理論と実践を往復しながら、学校現場が直面する諸課題の解決をめざし、カリキュラムや指導方法、評価方法の開発に取り組んでいます。そのような共同研究を通して、学生たちも実践力・研究力の向上を図っています。活動の一部は、学校探究ゼミナール(学部)、研究開発コロキアム(大学院)という科目に位置づけられています。

2026年度は、下記の活動に取り組んでいます。活動の一部は、学校探究ゼミナール(学部)、研究開発コロキアム(大学院)という科目に位置づけられています。

・パフォーマンス課題の単元開発と授業づくりの研究(京都市立高倉小学校、京都市立大淀中学校との連携)

・「『生きる』教育」と教科の授業づくりの研究(大阪市立田島南小学校との連携)

・「探究的な学習」の指導と評価の改善(兵庫県立尼崎小田高等学校との連携)

・「土の教育」の開発と推進(北海道大学名誉教授 波多野隆介先生、京都府立大学大学院生命環境科学研究科教授 矢内純太先生との連携)

・小学校におけるプログラミング教育の開発と推進(京都大学大学院工学研究科 廣谷潤准教授との連携)


 

発達障碍(神経発達症)の研究・実践に関する連絡会

 京都大学では、発達障碍に関する研究や実践を各部局で進めています。本ユニットでは、各部局に散在している研究者、実践家が集まり、それぞれの視点や知識を共有し、議論する場を設けています。これにより、基礎研究の知見や動向、現場で真に必要とされていること、制度や行政面での課題などについて共有し、互いに知識を更新することを目指しています。自身の専門分野とは異なる者同士の対話により、現場へ繋げるための共有知の基盤を形成するとともに、新たな発想に基づいたアプローチが生じるための素地として機能することを期待しています。


 

本ユニットにおける過去の取り組み

京都の市立小学校における共同授業研究の取り組み 

 京都大学大学院教育学研究科(教育方法学講座)では京都の市立小学校をフィールドとして、教師の授業力をたかめるために、教員と大学院生が、授業の計画・授業の観察・授業の振り返りを、教師とともに 行ってきた。 それは、「確かな学力」を育成するためである。

 院生はすでに延べ500回以上、その該当小学校に入り込んでいる。大学院生が授業観察を行なうことは、該当小と京都大学の継続的な取り組みを可能にし、子どもの育ちや教師の育ちを連続的に総体としてとらえられる利点がある。
 そして教育面で効果がでていると自負しているものの、一方では、学力問題を捉える子ども達の狭義の「学力」だけでなく、「学力」向上を求める内発的動機(生命性)に触れる「生活」全体を視野におく必要性、さらに学校全体の教育目的・組織の検討が欠かせないと実感している。

 今回の取組によって、教師の力量形成、生徒の学力向上のみならず、将来大学機関で教員養成に関わる大学院生の力量形成にも寄与することが、現実に期待できる。


 

他県の市立小学校における取り組み

 京都大学大学院教育学研究科の教育認知心理学講座と教育方法学講座の教員・院生による共同研究グループは、市立小学校と連携して、授業向上の取り組みを行ってきた。同小学校が文部科学省委嘱学力向上拠点形成事業として算数科の研究を開始した2005年度より開始され、授業づくりに関わる教育方法学ならびに認知心理学の知見の提供や調査を行うなど、授業設計の段階から関わり、研究授業と事後の研究協議会への参加を行ってきた。4年目をむかえる今年度は、これまでに築いた連携体制を基盤として新たに国語科の授業向上を中心とした連携に着手し、授業での子どもの学びのプロセスと結果に迫る心理的・実証的な研究方法とのコラボレーションを追求している。


 

公立高等学校における活動

 

 2006年度より、県立高等学校国語科の教員と、京都大学大学院教育学研究科の教育認知心理学講座の教員と大学院生が共同研究グループを作り、批判的思考力育成の教育実践研究を進めてきた。本研究がターゲットとしている批判的思考とは、論理的、客観的で偏りのない思考であり、自分に推論過程を意識的に吟味する反省的思考である。批判的読解指導と協調学習に基づく国語科授業実践の授業観察と検討、単元の事前と事後の生徒評価の実施と分析、授業における談話過程の分析、ミーティング、学会発表などを行っている。
その他県立高校においても、どのようにすれば生徒が意欲を持つことが出来るようになるか、授業参加を通して検討している。
 また、府内・府外のSGH・SSH指定校の取り組み支援・共同研究を行っており、2015年度にはE.FOUMで「教育研究セミナー」と「ポスター発表会」を開催した。